Vol. 18 「007 カジノロワイヤル」

 突然ですが、今月から文体を変えてみました。別に深い意味は無いんですが、何となくこっちの方が書きやすいような気がするので…。まあ、それはともかく、今月は1本しか映画を観れませんでした。(と言っても、毎月何本も観ているわけでもないんですが)ということで、必然的にその1本を紹介することになるんですが、はっきり言って、今月の作品は特にお勧めしません。ですから、今回はあくまで「こんな映画を観ました」って言う話です。で、その唯一観たというのが「007/カジノロワイヤル」という作品です。以前、「私は大の007ファンである」という話を書きましたが、何を隠そう、その007ファンになるきっかけとなった作品が、この「007/カジノロワイヤル」だったのです。その昔、私が小学校2、3年の頃、たまたまTVでこの作品を観て、何かとても面白かったのを覚えています。ただ、その後この作品を観る機会が無かったこともあって、(タイトルこそ克明に覚えてはいますが)その内容は全くと言って良いほど覚えていませんでした。しかしながら、当時小学校低学年だった子どもが観て面白いと思い、今日まで007にハマり続けるきっかけとなった作品って、いったいどんなものだったのか前からとても気になっていて、是非もう一度観てみたいと思っていました。そして、今回ようやく再会することができたというわけです。

 内容は、一言でいうと本家007シリーズを完全にパロったハチャメチャなコメディ映画です。ただ、コメディといっても、いわゆる「英国流ジョーク」で笑わせる部分も多いので、イギリス人や少なくともイギリスについて詳しい人でないと(私も含めて)本来の半分も笑えないような気が(あくまで想像ですが…)します。一応007なので、ストーリーも世界征服(?)を企む悪いヤツをやっつける、という話にはなっていますが、非常に分かりやすい本家シリーズに比べるとちょっと複雑で、特に最初の方は分かり難いと思います。(しかも、この作品ではジェームス・ボンドが何人も登場したりするので、余計ややこしい)観終わった後の感想は、「小学生がこんな映画観てよく面白い!とか思ったな」でした。しかし、かといって、じゃあ内容のない駄作かって言うと決してそうではありません。007シリーズのパロディとは言っても、よくバラエティ番組とかであるようなモノとは意味や質が違いますし、何より登場する役者が非常に豪華です。しかし、それでもやはり観る人を選ぶタイプの作品だと思うので、上にも書いたように敢えて他の人に観ることはお薦めしません。

 ところで、この「007/カジノロワイヤル」、007とはいっていますが、通常はいわゆる007シリーズ(「007/Dr. No」から最新作「007/ゴールデン・アイ」までの17作品)には含まれません。何故かというのを説明するのは難しいんですが(と言うより、私も詳しくは知らない)、簡単に言うと権利の関係で制作プロダクションが違う為らしいです。(ですから、例のテーマ音楽や銃の形をした007のロゴなどは出てきません)いずれにせよ、私が初めて観て007にのめり込むきっかけとなった作品は、実は正規のものではない(?)作品だったという、今考えるとマヌケな話だったのでした。(ちなみに、今放送中の「メトロポリタン・ジャーニー」のエンディングで、この映画のテーマ曲を聞くことが出来ます)

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