Vol. 43 「X-MEN」

 今月も先月に引き続き、最近ビデオが発売されたばかりの作品、「X-MEN」です。これ も、私は昨年の劇場公開時に観に行ったのですが、実は、当初は観に行く予定はありませ んでした。ご存知のように、この「X-MEN」は、1963年から現在に至るまで延々と売れ続 けている、アメリカの大ヒットコミックですが、私自身は、いわゆるアメコミ全般に関し て、やや偏見に近いものを持っていたこともあって、その手のものは全く読んだことがあ りませんでした。ですから、その代表とも言える「X-MEN」が映画化されると聞いてもほ とんど興味を持ちませんでしたし、もちろん、観に行くつもりもありませんでした。とこ ろが、友達とのメールのやり取りの中で、たまたまこの作品の話になり、彼らの特殊能力 の事などをいろいろと聞いているうちに何となく興味が湧いてきてしまって、結局は、劇 場に行ってしまったのでした。(笑)

 さて、前述の通り、数あるアメコミの中でももっとも有名な「X-MEN」ですから、今さ ら説明する必要も無いとは思いますが、一応、念の為に書くと、「X-MEN」はミュータン トと呼ばれる超能力者同士の戦いを描いた作品で、マグニートー率いる悪のミュータント 軍団に対抗し、その野望を阻止する為にプロフェッサーXによって組織された正義のミュー タントチームが、X-MENというわけです。考えてみれば、こういった、様々な得意技や特 殊能力を持ったキャラクター達が、敵と味方に別れて戦うというマンガは、細かい設定の 違いこそあれ、少年ジャンプを初めとして日本にも沢山ありますし、最近で言えば、私も 大好きな「ジョジョの奇妙な冒険」なんかは、まさにこの系統の典型みたいなものですか ら、今にして思えば、私自身、「X-MEN」に興味を持てるような下地は十分あったわけで すね。

 では、映画としてはどうだったのか?ということですが、少なくとも私自身は予想以上 に楽しめました。メインである、特殊能力を使った戦闘シーンも、現在の特撮技術だから こそ可能になった映像という感じで、一昔前だったら、文字通り単なる子供向け映画にな ってたような気がします。もっとも、本国アメリカでは国民的な作品故に、劇場公開時に は「原作とイメージが違う」等の議論がネット上などでかなり繰り広げられていたみたい で、ブーイングも結構あったらしいですが…。逆に、実写化することによってアメコミ独 特のアクの強さみたいなモノが消えるので、むしろその点では、原作にあまり馴染みのな い日本人の方が、素直に楽しめるかもしれません。実際、日本でも公開時にはそれなりに ヒットしてましたし、ビデオレンタルでもかなり健闘しているようです。いずれにして も、今回出てきたキャラクター以外にも、まだまだ沢山のミュータントがいるみたいなの で、出来ればこのままシリーズ化して、もっともいろいろな特殊能力を見せて欲しいで す。あと、もしこの作品をこれから観る人がいたら、ぜひ、あらかじめ各キャラクターが どんな能力を持っているのか知っておくことをお薦めします。普通の映画だと、こういう ことは先に知ってしまうと面白みが減ってしまうのですが、この作品に限っては、むしろ 最初から知っている方が楽しめると思います。

 そんなわけで、私のようにジャンプなノリのヒーローものが好きな人には、ぜひお勧め したい作品です。

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