Vol. 15 「GODZILLA」

 今回取り上げるのは、話題の"米国製特撮巨大生物映画"「GODZILLA」です。この映画は、世間でも賛否両論分かれていますし、私自身もいろんな意味で公開を楽しみにしていたので、早速観に行ってきました。なお、この作品も公開されてまだ間もないので、例によって、一切の情報や先入観を持たずに観たい、という人は、ここから先は読み飛ばして下さい。

 はじめに、見終わった後の印象ですが、一言でいうと、アメリカ映画だなぁ、という感じでした。ゴジラとの戦闘シーンもそうですが、それ以上に人間側のドラマの部分にこれを強く感じました。もう少し詳しく書くと、まず、さすがハリウッド映画ということで、お金のかかり方は日本の「ゴジラ」とは恐らく比べものにならないと思います。CGや特撮関係もそうですが、それ以上に数多くのエキストラやスタッフを使ってマンハッタンのど真ん中で撮っているロケシーンなどを見せられると、やはりスケールの違いを感じてしまいます。また、"ゴジラ映画"の醍醐味の一つである、ゴジラが街を破壊するカタルシスについても、高層ビルの数では東京より遥かに多いニューヨークが舞台ということもあって十分に見せてくれます。それこそ、これでもか、といわんばかりに派手にビルが壊されるので、この辺は観ていて非常に気持ちいいです。ただ、逆にイマイチだなぁというところも幾つかあって、詳しくは書けませんが、特に途中で他の作品のようになってしまうのはちょっとアレでした。(まあ、最後は元に戻るんですが)おかげで、どうして向こうのゴジラがああいう設定(足がとても速くて、賢い)になったのか、なんとなく分かったような気がしました。(笑)

 さて、いろいろ書きましたが、個人的には結構楽しめる作品でした。ただし、それは、冒頭であえて書いたように、あくまで"米国製特撮巨大生物映画"として観た場合です。これを純粋に"ゴジラ映画"として観た場合には、やはり、ちょっとどうかな?とう気がします。例えば、"ゴジラ映画"にはいわゆる「お約束」のようなモノがいくつかあるわけですが、そういったモノは、この作品ではかなり省かれている為、微妙に「なんか違う」のです。もっとも、それは、監督をはじめとするアメリカ版のスタッフ達が、ゴジラのデザインも含めて単なるリメイクではないオリジナル性の高いモノを作ろうとしたことによるものだとは思いますが…。もちろん、だからといって「GODZILLA」の娯楽作品としての評価は、そういうこととは無関係であることはいうまでもありませんし、いずれにしても、「GODZILLA」と名前の付いた作品にどれだけその辺の「ゴジラ性」を要求するかは観る人によって違うので、これはあくまで私の規準で観た場合の話だと思って下さい。

 最後に、作品の内容とは関係無いですが、私はこの作品をワーナーマイカル海老名のTHXシアターで観ました。THXシアターで映画を観るのは「スター・ウォーズ - 特別編 -」以来2回目ですが、 やはり良いです。特に音響関係の迫力は他の劇場とはまるで違うので、今だ未体験の方は、ぜひ一度観てみることをお勧めします。(ただし、時期によっては、THXシアターでの上映が別の作品になっている可能性もあるので、観に行く場合はあらかじめ確認して下さい)

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