Vol. 20 「インデペンデンス・デイ」

 このコーナーも早いもので、ついに20回目を迎えました。ただ、今まで紹介してきた作品は、どれも以前公開されたものや公開中であってもあまりメジャーでないものがほとんどで、いわゆる超大作系の作品は半ば意図的に避けてきました。(一応、これには理由があるのですが…)しかし、今回は20回目という区切りでもあり、たまには現在公開中の話題作を取り上げてみよう、というわけで、今月は(先月、予告した通り)「インデペンデンス・デイ」(以下「ID4」)です。一応、あらかじめお断りしておきますが、これを読んでいる人の中には、今回のこの「ID4」を元々観に行くつもりでまだ観ていない人が沢山いると思います。もちろん、話の具体的な内容には極力触れないように書きますが、それでも、中には一切の情報や先入観を持たずに観たい、という人もいると思いますので、そういう人はここから先は読み飛ばされることをお勧めします。(もし、仮に読んでしまって、その結果、実際に作品を観る時につまらなくなってしまった、と言われても私は一切の責任を負いかねますので…)

 さて、この「ID4」、どんな話かというと、ある年の7月2日に突然異星人が宇宙から巨大なUFOとともにやってきて、世界中の都市を攻撃し始める、という、ある意味SFの定番のような話です。そして、当初は防戦一方だった人類が遂に反撃を開始するのが、7月4日のアメリカ独立記念日という訳です。この作品、とにかくSFXが素晴らしいです。これはもう評判通りで、特に都市破壊のシーンや戦闘機の空中戦のシーン等の迫力はそれだけでも観る価値がある(大画面&大音響の劇場であれば特に)と思いますし、登場する敵のUFOのスケールの大きさも圧倒されるモノがあります。ストーリー自体も非常に分かりやすく、上映時間が最近の劇場用映画ではむしろ珍しい2時間半という長編にもかかわらず、まるでその長さを感じませんでした。

 ところで、この作品はご存知のようにアメリカで大ヒットした訳ですが、日本での評判は、というと、(私が知る限りですが)どうも「非常に面白かった」という意見と「期待はずれだった」という意見とに分かれているみたいです。で、「期待はずれだった」という意見の人は、大体「あまりにアメリカ中心に話が作られていて、アメリカ人以外の我々が観てもシラけてしまう」、「どこかで見たことのあるような設定やエピソードが結構あって、新鮮味が無い」ということのようです。確かに「宇宙人がある日突然攻めてくる話」なんてものは今までも沢山ありましたし、実際、私も観ていて「このシーンって、何となくあのアニメのあのシーンに似てるなぁ」と思うようなことも何回かありました。けれども、少なくとも私のこの作品に対する印象は決して悪くありません。確かに、設定やキャラクタの行動、言動に多少(?)ムチャなところもありますし、そういう意味では、恐らく多くの人が思わずいろいろとツッコミを入れたくなる作品だと思います。でも、逆にその辺も含めて(苦笑したり、ツッコミを入れたりしながら)楽しむ作品だと思えれば、充分満足できるのではないでしょうか?

 ということで、私にとっては「ID4」は「非常にノー天気だけど、面白い作品」でした。(余談ですが、本編が始まる前に実はちょっとしたオマケが付いていて、それだけでも一見の価値が有ります)

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