海の見える風景 -夜-

 「昼」のところで3部作と書きましたが、正確には今回外のウインドウに飾ったモノが3部作の「夜」で、これはその3枚の中で一番評判の良かった「夜」を展覧会用の大きさに描き直したものです。ただし、描き直したと言っても、実際は雲の微妙な形以外はほとんど「拡大コピ−」と言えるほど変わっていません。
 ところで、なぜひし形なのか?ということですが、一つは先生がS形(=正方形)のキャンパスを斜めに置いて描かれていて面白そうだったこと、そしてもう一つは、同じサイズのキャンパスではS型が一番大きく、それをひし形に置くことによってさらにそれを大きく見せることが出来るということです。
 いくら大作を描くと言っても、パステルという画材をメインに使っている以上、実際に描けるのはせいぜい50号くらいまでです。しかし、展覧会等で展示される場合は、広々とした会場で100号クラスの作品と肩を並べなくてはならず、そうなるとどうしても見劣りするというか、こぢんまりとした印象になってしまいます。そこで、少しでも作品を大きく見せるために、特に大作は一時期ひし形で描いていました。(もっとも、現在は様々な理由からひし形では描いていませんが…)
 ちなみに、どうやってキャンパス(私の場合はスケッチブックや水張りパネルですが)を傾けて描くかというと、実は教室に先生が自分で作ったM字型の専用の台があり、それをイーゼルの上に載せて使うと50号でも安定して描くことが出来るのです。

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