レンダリングはQuickDraw3D、モードはspecular(鏡)です。 この例では、4つの“スポットライト”を、 ホーンの真正面から開口部、 左上方からホーンの左端部、 後ろ上方からホーンドライバーの端子部、 手前からドライバーの喉部へ、それぞれ向けています。
このレンダリングの操作と設定法にまだ慣れてないのですが、 建物や部屋の中じゃない小ものをレンダリング(表現,描写)するには、 “平行光源”を用いない(or 効果を弱く使う)ほうがいい、といえるようです。 平行光をつかうと、照射される一つの平面は一色となるので、 平面でできているホーンの板とアルミのスロートは、一昔前のCGのように単調な仕上がりになります。
また、どの種類の光源でも一つだけだと陰影は貧弱で、前回のようにいかにも“スポットライト” という感じの陰影差が大きい絵になったり、逆に陰影差がなく平板的な絵になります。 平面であっても実物のような微妙な陰影をだすためには、 多数の光源をつかうことになりますが、現実空間の光源が照明器具や窓からの採光以外に壁などの 二次的なものもあるから当然なのです。 その複数使うときのコツですが、一つの光源で全体を照射しないということです。 当然二つ以上の光が重なりあう部分が大きくなるわけですから効果も重なり合い、 ある部分がいい具合でもほかの部分が真っ白、ということになり、 その度に設定を変えなきゃならないわけで、 そんなふうにこの作業したため6時間もかかりました(慣れれば30分くらい?)。 “平行光”以外の光源には“点光源”もありますが、全方向に照射されるため 結局“スポットライト”を主につかうことになります。
“スポットライト”は、照射点の近く以外光をあてないように、放射角度の範囲を狭く設定します。 先ず、開口部を光らせたいので、真正面から光をあてます。 また、8つのホーンセルの隙間を目立たせるため、 上面部を光らせ右側面を暗く陰影差を出す設定が必要で、左方からの光を使います。 上に外れた部分の外装板は、画面の中央に大きい面積を占めるので、 陰影がないとおもしろい絵にならないし、 4枚の板が円錐状に弱く曲面をなしており、それを表現したいのですが、 なかなか思ったようにならない。 実物を見ると陰影はほんの僅かで、それを強調する必要はないのですが、結局左上に“スポットライト” をあて陰影をつくりました。試してみたかったのです。 端子の部分も、こんな部分まで作ってるんだぞ、という気持ちから スポットライトをあてました。 一番苦労したのはアルミ鋳物のスロート部分とアルミ製のアダプター部です。 ここは画面手前側からあてています。この部分は円周の分割数を小さくとってしまったため 外周が多角形に見えてしまうのですが、“スポットライト”をあてたら白く飛び 金属光沢のようになり、うまく欠点が隠せました。
色の設定は、アルミの部分前回は灰色だったのですが、今回は白に近い色にしました。 金属らしくみせるには、真っ白のほうがいいかも知れません。 ホーン部分は実際には桜材の白木のままで、光が強くあたっている部分の感じは近いんですけど、 他のところは少し赤味が強い気がします。じつは、MiniCADは256色しか扱えない(パレットで変えられるんだっけなあ?)ので、 模様の種類,面と地の色の組み合わせで一つの色をつくりだすので操作が面倒なのです。
そうゆうわけで前回よりも一応満足できるレンダリングとなったのですが、 開口部のハレーション(=halation)、外装板の右側面が暗すぎ、 それらの陰影差が大きい、見る角度が悪く外装板の右下の部分が見えすぎ、 外装板の上の部分はもっと上に移動させてるべき、 開口部の左側がもやもやしている、全体として暗い、などの点が気になります。 最後のは、背景放射光効果(=アンビエント(ambient)光) というのがあるのでこれを使えばいいのかも知れません。 ('98/6/20)