「キケンですから...」
「おかーさん“きけん”ってなーにー」
ワンマンバスの車内放送を聞いた幼児Aの疑問

そうかそうだったんだ。キケンじゃわからない人が一番危険に気をつけねばならない人だったんだ。目的は交通安全である。危険を知らせることが第一。だが危険じゃわからない。

「危ないですから」ではなくて「危険ですから」が日本語として正しいという人がいる。たしかに、「嬉しいです」 「面白かったです」という表現などと同じで「危ないですから」は文法的にへんな気がする。しかし、気軽な丁寧表現として使っているのをテレビなどでよく耳にするし、幼児や小学生が先生に質問された場合には必ずと言っていいほど使っているのではなかろうか。

当然のことながら、「あぶない、ってこと」が訊かれた母親の返答で、子供は「ふーん」と納得したのだった。 そりゃそうだ。母親が「危険だからやめなさい」とは我が子にはいわない。「あぶないっ!」だ。 「きけん」と言って注意してたりしたら変だよ。60年代のアメリカのSF風ホームドラマ“宇宙家族ロビンソン”にでてくる「キケンキケンキケン」を連発するロボットのフライデーじゃないんだから。


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