お釣りの受け渡しのときの手皿、手蓋。

2011/2/24

週刊誌で、グルメ番組に出演している芸能人(中○彬とかキャタピラなぎさ)の手皿、いう記事を以前読んだことがある。箸でつまんだ料理の汁なんかがテーブルなどに落ちないようにするためだの手皿。だけど、手のひらは汚れる。それは、もっといくない、マナーに反するというもの。身近で上品だと感じるような人でもそれをやってたり、ちゃんと手を添えなさいと勧める人もいたりして、意外であった。写真入りだったこともあって覚えているのだ。ちゃんとした小皿にわけ、それを持って食べるのが正しいマナー、だとか。そして、手皿という用語があるのを知ったのだった。マナーなど関係ない気にしないと言うのもいいが、食通みたいな顔して意見するんだったらテレビに映るときぐらいは手皿はやめれ、という主張なのだろう。

なにかを手から手へ(from hand to mouseではない)受け渡すというとき、レジでのお金の受け渡しに限らなが、たとえばレジの人にお金を渡すときは上から、受け取る側は下に手を持って受け取る。重力の向きにお金は移動する。札だけのときは片手で渡し、両手で受け取る。札と硬貨が混じっているときは、両者とも両手。硬貨だけのときは、両者とも片手。ちゃんと手のひらを上に向ける。あたりまえだけど、指は広げずすこし丸めて器の形にする。このへんは適当でかまわないと思う。ちゃんと受け取りができていればいい。だけど硬貨の受け取りのとき両手なのはいくない。なぜかというと、隙間ができる可能性も考えられるけれど、大切に受け取りますよという感じはまったくなくて、両手で巨大な器の形にするのは何か失礼に見えるから。その両手の形は卑屈で、それじゃ少ないですよ、というふうに渡している側の人は感じるかもしれない。ともかく確実が第一。

何年か前から急に、硬貨のお釣りの時、手と手の一対一の受け渡しに、レジの人の金銭授受をうけもたないもう片方の手が参加することが増えてきたように思う。手持ちぶたさ(←誤用)ではないと思うが、つまり広義の手皿の一形態である。ちゃんとしっかり渡せば問題ないはずだが、客が落とす(こぼす)と思っているのだろうか、失礼である。落下防止だから、自分はいいことをしている、という意識があるのかもしれない。落としてしまうのは、受け渡しの二人の手の形というシステムにあるのではなく、たいがいは相手を無視して先にお金を離してしまうから、つまり受け渡し二人のタイミングの悪さにある。そもそも、この手皿は、落下防止に効果あるのかね。一度でも役に立ったという人がいるだろうか。ビッグコミックスピリッツのマンガ、きまぐれコンセプトで、この最近のやりかたがいい(大意)、というのがあった。暖かさを感じるとか。そうそう、直に手を触れてくる人もいる。私は、そりは更おかしいと思った。生きているとは思えない冷たい手の人もいるぞ。触れてしまっては尚更落下防止に役立たない。それに、片手を両手で挟み込まれるのは、ちょっとした恐怖でもある。一方で、カゼなど感染症の話題がニュースになっている。うがい手洗いの励行、マスクしましょう、って。お金なんてバイ菌の巣窟のようなものを触りまくっている人の手が触られて嬉しいのか?

それで思いついた。相手が両手をつかってくるなら、こっちだって両手をつかうぞ。両手をくっつけて器にするんじゃなくて、相手の手皿の下にさらに手皿をするのだ。一対一なら対等だけど、一対二とは卑怯ではないか。だからこっちも両手をつかってやる。上(レジ)から下(客)に、そして手皿(レジ)、そして手皿(客)。下に手皿じゃなくて、お釣りをわたそうとする手の上に被せてしまうのも考えられる。これを手蓋と名付けよう。他のバリエーションはないかな。


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